輝く時間

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映画『劇場版 アナウンサーたちの戦争』感想


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やっぱり、ダメだぁ………。

早々に『かあさん』で脱落。

涙で全くスクリーンが観えなくなった。

 

今回、久しぶりに映画のパンフレットを買って熟読して、初めて知りましたが、この『かあさん』から始まる一連の招魂祭のモノローグについて、実際の和田信賢さんの音源は、残ってないんですってね。

つまり、森田さんの演技は、史実をマネたものではなく、完全にフィクション、つまり作りごとなわけです。

 

………なんで、つくりごとで、こんな、涙が出るんだ………?

おかしくない………?(涙)。

 

演技は演技なんだけど、森田さんの演じる和田さんは、全く『つくりごと』な感じがしない。

たぶん、これこそが本気の言葉の力。

和田さんが読む名もなき1兵士の言葉が、森田さんの口から発生した、まさにそのときに、ホンモノになって出てきてる。

hitocinema.mainichi.jp

 

 

演出の一木さんのインタビュー読みましたが、読めば読むほど感じる、『役者・森田剛』への信頼感。

ありがたいし、ほんと完全同意。

これから、パンフレット読まれる方も多いと思いますので、詳細は伏せますが、一つだけネタバラシすると、森田剛をキャスティングしたのはこの演出の方だそうです。

 

『かあさん』から始まる一連の招魂祭の放送シーンと、森田さんが吐くまで演じた学徒出陣シーンは、一木さんの並々ならぬ思い入れがあったようです。

それは言われずとも、私にはドラマ版の時点で十分伝わってきてましたが、映画館で観ると大画面と大音響とで、迫力が全然違って、もう伝わるどころの話じゃない。

骨身に沁みる。

 

朝倉(学徒出陣する早稲田大学生)『あんたは(前線に)行かないんだろ』

 

いやもうほんと。

ほんとに、号泣。

申し訳ない。

申し訳ないよ、二十歳そこそこで『お国のために』とか………。

もうなんの立場でこんなこと書いてるのか、自分でもわかんないけど、ほんとうに申し訳ない。

 

 

あと、高良健吾が演じた館野アナウンサーの言葉に、本気でゾッとしたね。

 

和田アナ『【玉砕】とは初めて聞く言葉だね』

館野アナ『玉のようにうつくしく、砕け散る、ということです。』

 

貴様、正気か?!

………なんか、このままの日本だと、数年後にこの館野アナみたいに澄んだ目で『お国のために一億玉砕』とかいう狂人がでてきそうで、ほんとにコワイ。

 

正直、ドラマ版より尺が長く、ちょこちょこシーンが追加になってたことにより、それが裏目に出て、若干冗長に感じるところもありました。

でも、マニラでの戦局・ミッドウェー海戦の映像・インパール作戦の映像、そういう貴重な映像資料を映画のコンテクストのなかでこれでもかというほど観せてもらって圧巻でした。

 

さすが、腐ってもNHK。映像資料が潤沢すぎ。

ヤツラのジャニーズ問題忖度は、クソムカついたし、いまもムカついてるけど、NHKの社員の中には、自分たちの先輩である国営放送が犯してきた罪を客観視し、『あらたな戦前』を作らないためにどうすればいいか真摯に考え、今作のような逆プロパガンダともいえる作品を作るほどの真面目な方たちもいるんだね。

知れてよかったです。

 

……これ、そもそも論、なんでドラマ公開にしちゃったんだろうね?いきなり映画館で封切っちゃって良かったんじゃない?

森田剛のネームバリューで冷やかし客もある程度は集まるし、実際に森田さんの演技観てしまったら最後、集まった冷やかし客は全員ミイラになる未来しかないんだし。

いきなり映画で無問題よ。

別にテレビが悪いわけじゃないけど、純粋に今の森田剛はスケールデカすぎてテレビじゃ収まりきらないのよ。

 

そこんとこ、よろしくだよ、次回作をお考えの諸監督方!

 

 

P.S.

マイナビニュースをご覧の皆様、こんにちは、森田剛です!』(ぬいぐるみを抱えながら)

 

……冒頭、まったく内容が入ってこんのよ!

かわいすぎる。

 

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